NPO会計の中心は「活動計算書」

NPO法人の会計でまず押さえたいのが活動計算書です。会社の損益計算書にあたるもので、1年間の収益と費用、その差額(正味財産の増減)を示します。「いくら入って、何に使い、どれだけ残ったか」を表す、いわば活動の通信簿。数字が苦手でも、この1枚の意味がわかれば、NPO会計の全体像はぐっと見えやすくなります。

3つの基本書類

  • 活動計算書:1年間の収益・費用と、正味財産の増減
  • 貸借対照表:年度末時点の資産・負債・正味財産(団体の財産状態)
  • 財産目録:資産と負債の明細を一覧にしたもの

この3つはセットで、団体の「1年間の動き」と「期末の状態」を表します。

活動計算書の見方

活動計算書は、大きく経常収益経常費用に分かれます。

  • 経常収益:受取会費、受取寄付金、受取助成金等、事業収益など。お金が「どこから来たか」がわかります。
  • 経常費用:事業費(活動そのものにかかる費用)と管理費(運営の事務にかかる費用)に分けて記録します。
  • 当期正味財産増減額:収益から費用を引いた差額。プラスなら正味財産が増え、マイナスなら減ったことを意味します。

ポイントは、収益を出どころごとに区分すること。会費・寄付・助成金・事業収益を分けて見せることで、団体が何で支えられているかが伝わります。

会社会計との3つの違い

  1. 利益を出すことが目的ではない:もうけより、受け取った資金を目的どおりに使ったかを説明することを重視します。
  2. 「収益の区分」を大切にする:会費・寄付・助成金など、性質の違うお金を分けて記録します。
  3. 「正味財産」という考え方:株主のための利益剰余金ではなく、団体に蓄積された正味の財産として扱います。

「NPO法人会計基準」を土台に

多くのNPO法人は、民間で策定されたNPO法人会計基準に沿って会計を行っています。所轄庁もこの基準に基づく計算書類を推奨しており、市民や寄付者にとってわかりやすく・比較しやすいのが利点です。様式や勘定科目は、この基準の手引きを参考にすると迷いません。

日々の経理のコツ

  • 毎月こまめに記録する:「あとでまとめて」は年度末に大きな負担になります。
  • 勘定科目を団体内で統一する:人によってバラバラだと集計できません。
  • 証凑(領収書・通帳)を残す:あとから説明できる状態にしておきます。
  • 会費・寄付・助成金を分けて入力する:決算で区分が一発で出せます。

よくあるつまずき

  • 助成金の期ズレ:受け取った年度と使った年度がずれると処理に迷いがち。使途と期間を確認しましょう。
  • 現金管理のあいまいさ:小口現金は担当と記録ルールを決めて管理します。
  • 寄付やボランティアの扱い:物品の寄付など、お金以外の支援の記録方法も確認しておきます。

まとめ

NPO会計の主役は「活動計算書」。会社の損益計算書と似ていますが、利益ではなくお金の使い道の説明を重視する点が大きな違いです。3つの基本書類の役割を理解し、収益を区分しながら毎月こまめに記録すれば、決算も報告もスムーズになります。NPO法人会計基準の手引きを土台に、自分たちの団体に合った勘定科目を整えていきましょう。不安があれば、専門家や中間支援センターに相談するのも有効です。